カナかな団の躁鬱

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日記

458 タイムカード

  • 投稿者 首領
  • 投稿日 2002年08月21日 21時09分

せんせいのおしごと日記8月16日】で、東京都が「高校教職員にタイムカード」を採用する件について語られています。

教育現場を支えているのは決して「きちっと出退勤時間を守っている」だけの教職員ではない。むしろ「勤務時間なんて、そんなもんかんけー有るか」という教員だ。

しかし、きちっと出退勤時間を守って いない教職員だから、教育現場を支えている 教職員であるというわけでもないはずで、教育現場を支えている 教職員の中には、きちっと出退勤時間を守って いない人もいるのだ、ということではないかと思うのですが。というか、きちっと出退勤時間を守って いないうえに、教育現場を支えて いない教職員が問題なわけで、そういう人はせめて きちっと出退勤時間を守って ほしいから、タイムカード導入という気もします。

出退勤時間を守ることと、仕事の成果の相関関係は、難しいものがあって、一概にルーズだから、仕事が出来ないとは限らなかったりもしますが、まあ、存在すべき時間にいない奴の多くは、仕事が出来ないことが多かったりするようにも思えます。しかも、出来る奴(例えばルーズでも予算完遂する奴)ばかりの職場はともかく、普通(例えば予算80%で終わる奴)の奴が混在している職場に、出退勤時間を守らない奴がいると、普通の奴に悪影響を及ぼすことが考えられます。人は流されやすいので、彼奴が遅刻して来るのだから、俺もちょっとくらい好いだろうと考えてしまい、そこから仕事の成果にも影響が出てしまったりするものだと思うのです。つまり、出来る奴が遅刻する所為で、普通の奴が出来ない奴(例えば予算60%で終わる奴)になってしまったりするので、出退勤時間は守った方が好いのです。

普段(月〜金)は、昼休みは取れないまま、一日14時間は学校にいて、土日も研修会や部活動の指導や進学講習・就職指導やPTAの行事で休日出勤し、警察や地域住民、親から寄せられる生徒の種々のトラブルには夜中であろうとも対応する。

一般の企業においても同様だったりするので、そのへんは教職員だけが凄く大変なわけではないようにも思えます。もちろん、育てているのが人間なので、そういった意味の苦労はあろうかと思いますが。

教育という場においては、どこまで、どのくらい働けば「それで充分」なのか、決まった答えは誰からも与えられることは無い。成果が数量的に判定されるわけでもない。受け持っている児童生徒達のためならこれが必要なんだという「信念」で多くの教職員が仕事をしているはずである。

たしかに、一般の企業から見たら、対予算比などの具体的数値が見えづらいので、それで充分 という到達点が不明ということはありますねえ。しかし、学校というものの定義を考えた場合、「読み書き算盤」を最低ラインにすれば、実は苦労が減りそうな気もしますが、それは置いといて。ただ、一般の企業でも これが必要なんだという「信念」 で仕事をしている社員も多いのではないかと思うのです。そのへんは教職員と変わりはないと思うので、教育という場 を特別視するのはどうかと思うのですが。

この「タイムカード」がそんな努力に報いてくれるか。全く無い。

努力に報いることと、タイムカードは別でしょう。どうも仕事の成果が芳しくないと思われるので打った手のひとつが、タイムカードだった、ということでしかないでしょう。東京都として、どういう成果がほしかったのかは分かりませんが、現在の状況では、望むものとは違っていたということなんでしょうね。

勤務時間の厳正さを確保することが行政の責任だというならそれはそれでいい。であれば、現場で頑張る教職員を認め、支え、励ます施策を講じることも教育行政の責任ではないのか。

勤務時間の厳正さを確保する のは、前述のように、普通の奴がルーズになって、出来ない奴になるのを防ぐためということで、現場の志気を高めるには、また別の施策が必要かとは思います。まあ、つまりは飴と鞭の、鞭がタイムカードということですかねー。

まあ、なんですよ。出退勤時間、特に出勤時間は守った方が好いのです、と書いておこう。自戒の意味も込めて。


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