Go! Show! Dah-Hummer!


1st 生い立ち

ゴショウ・ダハマ、彼が生まれたのは、1952年。

15歳の時、通りのウィンドウに飾ってあったギターを見て、走り始めたのが、1974年だから、生まれたのは1959年と、今までの学説では考えられていた。しかし最近では、揺れる星条旗を見上げてた17歳が1969年なので、1952年生まれで、走り出した1974年は大学中退の22歳だったというのが定説である。

彼の父は、16歳のときから町はずれの工場で、背中痛めながら、働き続けているが、かなり生活は厳しく、この世に住む家もなく、その日暮らしの毎日だったようだ。彼は、こう話している。

「思い出すよ。あのあばら屋。暮らした日々の家族の笑い声。」

彼の母は、あまり話に出てこないのだが、彼が信頼をしているのはよくわかる。彼が、生まれたところ遠く離れたときに、ホームの窓越しに手を振る母の涙は忘れられず、また、キレそうになったときには、

「おっかぁ、これ以上おいら、がまんできねえ。」

と母に泣きついていたようである。

父は、結局どん底の生活のまま、病に倒れ、入院生活を余儀なくされ、病室で痩せていくばかりとなり、生活は、いつの日もまずしい軒に雨が降り続く。そんな父の望みは、ひたすらひとり息子の出世だけ。しかし、車の窓に映る彼の顔、父親に似てるのだ。

ところで彼は、長男なのか?いや、ちがう。彼には兄がいたのである。父は、彼の成功を見る前に他界してしまうのだが、その父に成り代わり、油にまみれて彼を育てたが、消えてしまうのだ。

「兄貴は、消えちまった。」

どこへ行ったのか?

わからない。もう、わからない。ただ、車は70年型という記録だけが残っている。

遠く離れてしまった、生まれたところとは、どんなところなのか?メインストリートわずか数百メートル、映画館はさびれ、バーが5〜6軒。溶けたタールとパルプのにおいがする町。海が近く、港には倉庫がある町。朝には、工場のサイレンが鳴り響き、夜には、街灯の下で踊る町。

Hello ROCK & ROLL city !

いったい、どこなんだ?

丘の上をパワーショベルで削って、同じ形の建て売り住宅が並び、工業地帯に続くハイウェイが通る、「希望ヶ丘ニュータウン」だ。という説もある。太陽は赤茶けてるらしい。公団の開発か?

さあ、そんな環境に生まれた彼ゴショウ・ダハマは、いったいどこへ走っていくのか?

わ〜からない〜。も〜、わからな〜い……。


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