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正直に生きて、何のメリットがあるのでしょうか。一般に「正直者は馬鹿をみる」し、「損をする」ものだと思うのです。それこそ馬鹿正直に生きるより、嘘や欺瞞が暴露されずに済むのなら、嘘をついて人を騙して生きた方が楽だったり、結果的にも経済的にも楽しかったりしそうです。尊敬はされませんが。
なぜ正直に生きるのでしょうか。正直者は己の自己満足のために、正直に生きているとしか言い様がありません。
しかし、正直に生きるのは強い精神が必要になりそうです。どんな時も正直であるためには、つい嘘へ逃げてしまう弱い心を排除しなければならないでしょう。全くと言っていいほどメリットがなさそうなのに、強い精神を必要とする生き方、困難な人生だと思います。
正しいということ。
正しいということに忠実に生きていくことも、また強い精神が必要でしょう。間違いは起こりやすく、起こしやすいものですし、間違いの無い完璧な状態は皆無のような気さえします。
とはいえ、その間違いを容認するのは、当人にとって逃げであります。弱い心への服従、より楽な方への逃亡、無論それを否定はしませんが、威張れるようなことでもないでしょう。
「間違って何が悪い」と開き直るのは、嘘をついて他人を騙して何が悪い、というのと同等、いや、この場合間違っていることが明白なら、暴露されていない嘘吐きよりも低次元と言えるでしょう。
少なくとも、間違いだらけの人生や、間違いを容認し開き直る人生よりは、「正しい」に忠実に生きるということは、強い精神を必要とする困難な人生であることは確かで、その点においては尊敬に価することだと思うのです。