カナかな団の躁鬱

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日記

549 仮名漢字混じり文というのは…

  • 投稿者 首領
  • 投稿日 2002年12月23日 18時36分

Maro's...memo? ひらがなぶんとえいぶんをくらべてみる】で、私のしょうもない例文を分かち書きにしたものが例示されておりましたが、現在、幼児向けの絵本などでは、同様の分かち書きを採用しているところが多いようです。ただ、助詞まで単独では、分かち書きされておらず、むしろ誤読を防ぐ程度の分かち書きになっているようです。

扨、表音文字だけの英文や仮名書きと、表意文字が混在する仮名漢字混じり文とを比べると、どうなのでしょうか。

表意文字である漢字はエントロピーが高く、同じ文字数でも、表音文字であるひらがなやアルファベットより情報量が多いと考えた場合、ある文章中の情報量の分布は、英文や仮名書きの場合、ほぼ均一に分布していると考えられます。それに対し、仮名漢字混じり文の場合、漢字部分に分布が集中し、つまり、濃度は均一にならず、濃淡が繰り返されることになります。

情報量の濃度が高い部分では、脳の負荷が高くなり、濃度の低い部分では、負荷が軽くなります。文章の流れに対して、『緩急』がついているわけです。逆に言うと、この『緩急』の所為で、難しい漢字が読めない(発音できない・或いは意味不明)なんてこともあり、可読性を損なっているとも考えられます。情報量の濃度が均一な英文や仮名書きでは、負荷がほぼ一定になるため、可読性だけを考えれば、仮名漢字混じり文より楽ということになるかもしれません。

が、一定の負荷の方が都合の好い機械類はともかく、人間の場合、定量負荷の刺激が続くと処理能力が落ちていったりします。かえって、『緩急』がついている方が都合が好かったりするのです。『緩急』がついているが故に、理解力が増すということもあるのではないでしょうか。

余談ですが、漢字ばっかりの文章でも『緩急』が無くなり、高負荷の状態が続くので、人間としては辛そうな気もします。

と、可読性について考えてみましたが、ある文章から「特定の部分を探す」というような利用性について考えてみます。これについては、【Maro's...memo? ひらがなぶんのよみにくさ12/21 17:25】で 引用するにあたって平仮名のみの文章から記憶を頼りに問題の部分を探してみたところ、手掛かりになる漢字がまったく無いがゆえに頭っから読まないと捜し出せなかった事 と書かれているように、『緩急』がないため、キーワードが発見できずに苦労するわけです。仮名漢字混じり文では、視覚的にも黒っぽい部分(或いはドットの集中している部分)がキーワードとなるため、(人力)検索が容易だったりするわけです。

で、英文についても同様なことは言えるだろうと思うので、そうなると、英文は、可読性は高いが、利用性は低いので、予めキーワード的な部分にはそれなりの装飾が必要だったり、各行に番号が振ってあったりする必要がありそうです。なるほど、そういえば、もともと英文を対象に考え出された HTML や CSS の仕様には、そういう用途っぽいものがあるような気もします、というか、英文こそ正しくマークアップされないと利用性が低いということになりそうな気もします。

なんて、嘘っぽいことを考えつつ、明日はクリスマスイブですね。


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