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バイクは、用途によりかなり細分化されていて、つまり走る場所やその目的により、ほぼ専用マシンとして作られています。まあ、パーツやエンジンの共用はありますが、見た目のカタチによる違い以外の部分で、多くの差異があるのです。
大きく分けると、オンロード用とオフロード用ということになります。オンロードモデルでも、レプリカと呼ばれるレーサーもどき(4 輪でいうとランエボが相当しそうな気もしますが、もっと過激で、どちらかというと F1 の公道仕様みたいなものか)、スポーツモデル(このへんがランエボとかGT-R相当かも)、ツアラーモデル、アメリカン、スクーター、ビジネスに大別されます。
オフロードモデルは、そもそもスクランブラーなどと呼ばれる、ターマック(舗装路)・グラベル(悪路)兼用のモデルから発生していて、次第にどちらかといえばグラベルよりのモデルへと特化していきました。2 輪の競技種類により、専用のコースを突っ走るモトクロッサー、公道も含んだ悪路が対象のエンデューロ、それよりは性格が多少温厚なトレール、全く道無き道を行くトライアル、オーバルの未舗装路を走るダートトラッカーあたりに区別されます。
モトクロッサーは悪路を『速く』走ることにのみ特化したマシンで、モト(moto)で走るクロスカントリー、故にモトクロスとなりました。エンデューロ(ENDURO)は、元々 endurance (耐久)から派生した言葉で、長距離のレース、特にオフロード系のものを指し、バイク的には、MX(モトクロッサー)とほぼ同等のパワー・足回りを持ちますが、公道を走るための装備や、MX よりも走るシチュエーションが多彩になるので、よりワイドなギヤ比を持ったミッションや、速度域は若干中速寄りにセッティングされます。トレール(trail)は、そもそも通った跡、山などにできた踏み分け道という意味で、バイク的には、ED(エンデューロ)モデルよりおとなしめ、パワーも低めに抑えられ、足回りもストロークを短くし足着き性を高められていたりします。
私の前の主力戦闘機 YAMAHA TT250R (4GY)は、トレールモデルに区分されます。その昔、オフロードモデルは軽さが命なので、主流は 2 サイクルエンジンでしたが、YAMAHA 250cc クラス初の 4 サイクルモデルが XT250 で(たぶん1980 年)、それは DOHC エンジンへと進化 XT250T となりました。エンデューロモデルの TT250 も存在していましたが、1993 年リニューアルして登場したのが TT250R でした。セルスタータを搭載していますが、極力重量は抑えられ、サスペンションのストロークも確保しながら、シート高は 890mm でした。名称の XT が TT に改められたのは、トレールモデルよりエンデューロモデルを意識したためと思われます。
当時、4 サイクルトレール、或いはエンデューロモデルとしては、HONDA XL、 XR が君臨しており、その牙城を崩すべく YAMAHA が投入したモデルです。が、意図通りに行ったとは言い難く、TT250R は初期型から大きく進化することもなく(TT-Raid というモデルは派生しましたが)、カタログから消えていったのです。