カナかな団の躁鬱

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日記

925 公開することのリスクと責任、そして非常に弱い責任について

  • 投稿者 首領
  • 投稿日 2005年11月13日 20時19分

これから、「ホームページ」を作ろうとか「ブログ」を始めようと思っている人へのアドバイス。

まずは、リスクについて。

Webに文章を公開する仕組の敷居が低くなつた一方で、文章を公開するリスクは低くなつてゐない。その邊の「啓蒙」がまづ必要である。

日本には、「形から入る」人間が多過ぎる。「公開出來るから公開する」と云ふのは、目的と手段とが顛倒してゐる。

何か言ひたい事があつて、それで文章を書く、と言ふのなら話は解る。しかし、文章を書く場がある、だから言ひたい事をでつち上げる、と云ふのはをかしい。しかし、今の「ほーむぺーじ」の世界では、その種の「逆轉現象」が推奬されてゐるやうに思はれる。

「書く事がないなら書かない」「目立ちたくなければ目立つやうな態度をとらない」と云ふのが、當り前の態度だらう。

今のウェブでは、「目立つやうな態度をとりながら、注目を浴びたら文句を附ける」と云ふ、「俺に眼を附けたな貴樣」と云ふやくざの恐喝にも似た態度をとる人が、餘りにも多い。

何かを公開すると、何らかのリスクが発生します。痛々しい内容で、恥ずかしい思いをしたり、閲覧者や世の中から馬鹿にされたり、或いは、素晴らしいリソースであると賞賛されたり。

「ホームページ」や「ブログ」に対する何らかの反応は、貴方にとって、メリットとなるものだけではなく、デメリットと感じられるようなものにも遭遇することとなるでしょう。そのへんをキチンとふまえ、「ホームページ」や「ブログ」を公開してほしいところです。

そして、責任について。

公開してしまった以上、貴方はそのリソースについて責任が発生します。とはいえ、現状の「インターネット」という性格を考えれば、かなり曖昧でグレーゾーンですが。しかし、一般的な規制や法が適用されることは、事実ですから、十分に注意が必要です。

そして、そして、非常に弱い責任について。

貴方が「ホームページ」や「ブログ」に注いだ情熱も、いつか、冷めることでしょう。他のことに興味が移り、時間が無くなり、「ホームページ」や「ブログ」など、どうでもよくなります。その時、貴方は「サイト閉鎖」を考えるかもしれません。更新やメンテナンスをする気力がないのだから、閉鎖するというのは、一つの選択肢として、正しいものなのかもしれません。

ネット上でデータを消去するということは、そこへのリンクがすべて無意味になるということである。多くの人が作成して蓄積した有益なデータ(や無益なデータ)にアクセスできなくするということである。

公開してしまった以上、そのリソースや「ホームページ」や「ブログ」を(それこそ、様々なカタチで)利用しているユーザーがいるわけで、それを「サイト閉鎖」と称して、Web 上から削除してしまうと、例えば上記引用のように、リンクが途切れることによる情報としての付加価値が減少してしまうリソースを作り出してしまうことや、直接的に利用していたユーザーにとっては、情報そのものが無くなることによるデメリットを発生させてしまいます。

たとえ興味がなくなったにしても、「サイト閉鎖」と称する、リソースの全削除という行為は、Web にとって悲しいことなのです。出来うることなら、「放置サイト」としてでも残しておいてほしいところなのです。

もっとも、これは、Web というものの性格から来るもので、「公開したリソースを削除してはならない」という不文律や規則、仕様があるわけでもなく、よって「非常に弱い責任」と言わざるを得ません。ただ、「サイト閉鎖」の前に、ちょっと考えてほしいのです、貴方のリソースを利用している人たちのことを。

まあ、永遠なんて無いんだけどさ。


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