カナかな団の躁鬱

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日記

657 100 人の村のキタチョさん

  • 投稿者 首領
  • 投稿日 2003年05月18日 02時20分

ある晩、キタチョさんは、こっそりニポーンさんの囲いに忍び込みました。

キタチョさんは、チューチュー思想というヘンテコリンな宗教にとりつかれ、やること為すこと理に適っていないので、農作物は不作だし、貧乏なのです。先の大喧嘩に負けたくせに、電気製品など作っては小金を稼いでいるニポーンさんが憎くてたまりません。いずれニポーンさんの財産を横取りしてやろうなどと考え、ちょくちょく悪さをしていたようです。

その晩も、ちょっくら悪戯をしていたのですが、運の悪いことに子羊のメーメーに見つかってしまいました。マズイと思ったキタチョさんは、子羊を布袋に押し込み、トラックに積んで逃げ出しました。

親羊は、子羊が帰ってこないので心配しました。必死で、あちこち探しました。「メーメー、メーメーやーい。」けれど、見つかりませんでした。どうしたのかしら……。

キタチョさんは、トラックを闇に紛れて走らせます。連れ去られた子羊メーメーはトラックの中で、「おかあさーん。おかあさーん。」と泣きました。何時間も、何時間も、声が枯れるまで泣きました。なんとか、トラックの扉をこじ開けようと、その小さな爪で引っ掻きました。でも、厚い鋼鉄の扉は開きません。「おかあさーん。おかあさーん。」

こうして、メーメーは連れ去られ、母親に会うことは二度となかったのです。


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