トライアルという競技がありまして、どんな競技かと申しますと、あらかじめ設定されたコースを、バイクに乗って足をつかずに走破すればOKというものです。足を1回つくと、減点1、2回つくと減点2、3回以上は3点、コースを逸脱したり出口までたどり着けなければ5点、足を1度もつかず、出口まできれいにたどり着けば減点0です。いってみれば、ゴルフに似たようなもんです。つまり減点0がパープレイってなわけです。しかし、コース設定はパープレイを阻むように造られています。起伏があり、グリーンの手前には、バンカーあり、とプレイヤーをいらだたせるゴルフコースのように。もうひとつゴルフと似ているのは、それが競走ではなく競技という点です。他のプレイヤーとの駆け引きではなく、パースコアとの勝負だということです。乗馬にたとえれば、モトクロスは障害、トライアルは馬術ということになります。

さて、このコース、ドラム缶の手前を左回りで入ってきて、ドラム缶を越えたらその向こうの斜面を越えて左の方へ下っていくという設定ですが、しょこでい選手、左旋回しながらドラム缶にフロントを載せるまではいきましたが、万全を期して足を1回ついてます。無理して減点0をねらって、転倒すれば元も子もないので足を出してるのですが、己を知ったかしこい方法です。

ところが、どっこいフロントがその先の斜面にぶつかったため、リアがドラム缶をクリアできません。しょこでい選手、まな板の上の鯉状態。一気にバイクを持ち上げ強引にクリアせんと、渾身の力をこめますが・・・・・・。

ご想像のとおりの結果です。バイクに背負い投げを食らわせられ、ばかまるだし状態で、顔面から斜面に突っ込んでます。これで、減点5ですね。しょこでい選手の耳に審判の声がひびきます。

「勝負あり! 一本! それまでっ!」(いや、本当にそうは言わないけど……)

だいたいね、そんな減点1とか2とか、せこいんだよ。俺ぁね、こんなトライアルなんかきらいだ〜っ。男ならもっとスカ〜ッと行かなきゃ。スカ〜ッとね。あ、言っとくけど、ついでにゴルフもきらいだぞ。