Macintosh研究室


1999/6/28 パソコンのハナシじゃぁ、ないんだけど

いやぁ、いったいどうなるんでしょ、この顛末

かつて、一商社で営業として勤務していた経験から言うと、こ〜ゆ〜ことあります。たしかに、スジは通っているんだけど、しつこい顧客って感じだったのでしょうか。状況としては、企業側としては、顧客の言い分を認められないというトコロでしょう。そこで、居留守作戦を使ったワケです。ところが、しつこく電話がきたので、調子こんだオッサンが、俺が対応してやる、い〜か見てろよ、ワガママな客はこ〜ゆ〜ふ〜にあしらうんだ、ってな具合で電話に出たんだと思われます。録音を聞いてみると、たしかに、こ〜ゆ〜オッサンいます。通常なら、一般消費者としては、憤慨はしますが、後の手だてがないでしょう。まさかWebで公開されるとは。今ごろ、このオッサン怒りながら、若干は後悔していることでしょう。少なくとも、このWebサイトを覗いたヒトはココのビデオデッキは購入しないだろうな。

おそらく、この不具合は設計ミス、もしくは製造上の都合でしょう。早いハナシが仕様ってトコです。S-VHSを再生させるヒトがそういないだろうとふんでいたか、実際再生させてクレームをつけて来たヒトが、あまりいないのでしょう。

多くの場合、メーカとしては不良を認めません。直接的には、多額の費用が発生したり、間接的には工場の品質保証や設計の評価(社内的なね)が下がるコトを恐れるからです。あきらかに製造不良と思われる商品で、リコールが必要と考えられるような商品でも、クレームがきた顧客ごとに対応し、各個撃破という作戦に出ている例もけっこ〜ありました。一番嫌がるのは、書類として提出してくれという要望です。ごめんなさいね、お金あげるから許して、とマイナーな解決には、よろこんで望みます(相当抵抗した後)が、証拠が残るようなメジャーな解決は、避けようとします。不良じゃないけど交換しますよ、とか、悪くはないんだけど、お金あげますっていった手法になりがちなんですね。

見方によっては、このオッサン個人が悪いんであって、メーカとしての姿勢の問題じゃないっていう見解もあるかもしれません。しかし、褒められるトキは企業として受けて、叱られるトキは個人っていうのは、ちょ〜っとズルイんでないでしょうか。最近、悪事がばれると企業責任はなく、個人的なコトだといって、「個人ぐるみ」なんてワケわかんないコトゆ〜輩までいますが、そ〜なんでしょうか?

贈賄や談合がバレルと部長や課長のクビを切って、社長は遺憾に思いますなんてコメントして、済むと思ってる企業の長もいるよ〜ですが、そ〜なんですか?

ユーザーはメーカの看板を信じて、顧客として商品を購入しているワケですから、一個人と接しているワケじゃなくて、企業と接しているのではないでしょ〜か。だいたい部下の責任にしといて、別なポスト用意するから、今回は泣いてくれ、なんてのは上長としてサイテ〜ですよ。少なくとも、部下の責任を上長が被るくらいの意気込みは必要でしょう。

すべての社員は企業の顔です。誰が顧客と接しても、不快感を持たれぬよう教育を徹底すべきなんです。それが企業というものでしょう。今回考えられる解決方向は、オッサン個人の仕業ということで、オッサンが個人的に謝罪する、なんてことを企業側は考えてるでしょう。なるべく上長を引っ張り出さず、解決するってのが企業人としてのカッコよさになっています。例えば今回なら、オッサン個人、もしくはその上長ってトコで手打ちしたいと願っているのではないでしょか。おそらく社長が登場するなんてことは、企業人の常識からは、ありえません。大企業において社長が謝罪するなんて事態は、関係者全員のクビがアブナイってコトですから。しかも、ここまで公になっていると、なおさらです。しかし、もし、社長が謝罪しないまでも、今後かようなコトの無きよう、なんらかの意思表示(サービス体制の見直しとか、接客教育の徹底とか)があれば、とても素晴らしいとは思いますがね。まあ、なんらかのリアクションがなければ、評判はガタ落ちのままだから、なんとかするとは思いますケド。でもなぁ、一番オソロシイのはこのオッサンが自殺しちゃうっていう結末かな……。こ〜なっちゃうと、オッサンに同情が集まって、企業の責任なんてのは、壇上に上がらなくなるし、追求しづらくなっちゃうもんなぁ。そ〜ならないことを祈りますが。

しかし、おもしろい世の中になったもんです。

こ〜ゆ〜問題が生じた場合、よく新聞に投稿がありますが、実名が出るのは郵便局とJRと官公庁くらいのもので、一般企業は名前が出ません。郵便局は投稿がある度、必ずと言っていいほど、回答を掲載しています。とてもイイコトだと思います。投稿者の腹立ちももっともだし、郵便局側の回答も、なかなかだと思います。なにより、その投稿によって改善されていく点があるというのは、けっこ〜なコトでしょう。でも一般企業は名前が出ません。某メーカとか某宅配会社ってダケで、どこだか特定できません。色々理由はあるのでしょうが、でも、これは某メーカにとっては不幸なコトだと思うのです。本来指摘されて改善すれば、その後問題を生ずることなくなるトコロなのに、匿名であるために、改善されぬまま同じコトを繰り返すなんて、企業にとってマイナスでしょう。しかも、あらぬ疑いだった場合には、疑いを晴らすコトもできないワケです。もちろん、企業に対する、いやがらせダケってのもあるかもしれません。けれど、そ〜ゆ〜のも含めて盤石の体制を築き上げておくのも、企業としての責任でしょう。そのへんをしっかりできないから、総会屋なんてのが蔓延ることにもなるし、カタチばかりの株主総会になっちゃっているのです。弁当持参でマラソン総会をやるような企業はいないのでしょうか。

ハナシがそれました。

よ〜するに新聞あたりでは、消費者はほとんど泣き寝入りだったワケですが、Webというものが事態を変えたワケです。企業はこのへんをしっかり踏まえて、今後のコトを検討していかなければならない時代になってきた、というコトですね。社会にとって責任を果たせる企業としての在り方を、見直すいい機会です、えへん。(えらそう)

2001年10月12日追記

まあ、今(2001.10.12)となっては、いろいろと分かったこともあるし、なんだかな文章だけど、これはこのまま残しておくとしよう。


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