ショッカーの午後

ショッカーの憂鬱 その16 公安庁ビル

横浜、午前4時。やや明るくなりかけた神奈川県警の駐車場に、ランチャテーマがするすると停まりました。くわえ煙草で坂が降りてきます。さっきのファミレスでおみやげに買ったカツサンドをほおばりながら、マロも降りてきました。

「ええ、ネタもとは県警ですかあ?」

「ばかやろ、クルマ置いとくだけだよ。駐車違反はまずいだろ。」

そう言うと坂は、まだむしゃむしゃやっているマロをつれて、通りの反対側の雑居ビルに入っていきました。狭い階段を3つほど登って、クイーンズ探偵社と書かれた扉をノックします。

「開いてるわよぉ、入って。」

と女性の声がして、二人は中に入りました。8畳ほどの部屋の真ん中にエボニーウッドのデスクがあり、大きな背もたれのついた椅子が、背中を向けて置いてあります。その椅子がくるりと回り、

「よく来たわね。」

ちょうど大人用の大きな椅子に座っている、小学生のような感じでした。マロは一瞬目を疑いましたが、よく見れば、背丈はたしかに小さいけれど、牧瀬理穂によく似た感じの女性が座っていたのでした。

「や、女王。ひさしぶり。」

坂は以前からの知りあいらしく、臆せずに声をかけ、この部屋に不似合いなソファーに腰をおろしました。女王と呼ばれたその女性は椅子を降り、隣の部屋に行くと、

「坂、あんたコーヒー、ブラックでいいんだっけ。」

と声を上げました。

「ああ、ブラックでたのむ。」

と、坂。すると今度は

「そっちの大きいのは?」

と聞いてきました。マロはあわてて、

「あ、俺っすか、俺は、全部お願いします。」

と答えてしまいました。彼女は銀盆にコーヒーカップを載せて、現われ、しなやかな動作でテーブルに置きました。

「全部ね、とりあえず乗っけといたから、好きなもの選びな。」

銀盆には、砂糖とミルクの他に、塩、胡椒、タバスコやらパルメザンチーズまで載っていました。

「坂、悪かったね、こんな時間指定しちゃってさ。アタシも最近忙しくって、今朝は5時から沼津行きなんだ、貧乏暇なしってやつよ。」

「ああ、いいんだ時間のことは。どうせ俺たちゃまともにお天道様見て暮らしちゃいないしな。」

「それで、坂、アタシに何が聞きたいの?」

「時間もないようだから、単刀直入に聞くぜ。ミッキーって男知らないかな。」

「ミッキー?ディズニーランドの…?ああ、冗談よ。貿易商やってる野郎なら、去年あたりからブイブイ言わしてたらしいけど。」

「ああ、きっとそいつだ。どこ行ったら会えるかな?」

「会えないな、きっと。だって、行方不明らしいもん。アタシんとこにも、借金取立の捜査依頼が来たんだけど、新宿あたりでばったり消息不明。今年の春ごろだったかな。」

「へ、行方不明?なんか調べたのかい?」

「ああ、たしか資料作ったな、ちょっと待ってて、今探すから。」

彼女は傍らの書棚の引き出しを開け、資料をめくり始めました。マロはコーヒーにタバスコ入れて味見をしていましたが、坂に小声でたずねました。

「坂兄ィ、どういう知り合いなんすか。なんかコワソウな感じですけど。」

「ん、ああ、昔いろいろとな。」

坂は、言葉をにごすとコーヒーの残りを一気に空けました。

「あった。これだ、これだ。ほれ、資料はあんたにやるよ。好きに使いな。」

彼女は十数ページの資料を、坂に手渡しました。坂は資料を眺めようとページをめくりはじめましたが、その時マロの携帯電話が鳴りました。電話は編集長からで、東京で事件があったらしいので戻ってこいということでした。

「女王。悪いな、またトンボ帰りだ。今度、またゆっくりさせてもらうよ。資料、助かったぜ、恩に着るよ。」

そういうと、坂は、彼女の手を軽く叩き、さっさと部屋を出て行きます。マロは胡椒と塩を追加したコーヒーを慌てて飲み干し、とりあえず彼女にぴょこんと頭を下げると、坂を追いました。

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午前5時、紫外線をたっぷり含んだ夏の日差しは、徐々に明るさを増しつつありました。凶嫁舞信玄は、陽光を反射してきらきら光るバイクから、無線機を引っ張りだしました。

「凶嫁舞です。」

「ああ、広末だ。だいぶ片づいたろう。状況を報告してくれ。」

「えーと、課長、行きますよ。午前1時すぎ、数百の猫が大型の猛獣とともに病院内に侵入。警護の警官10名が死亡、7名が重傷、3名が軽傷、1階ロビーで仮眠していたと思われる報道陣8名が死亡。看護婦18名のうち、17名は2階女子トイレ内に拘束されていたのを発見、無事解放、残り1名は1階女子トイレで発見、保護しました。1階当直室で医師1名が倒れていましたが、軽傷です。参考人は無事です。で、猫は逃走しました。付近を捜索してますが、意味ないですよね…。大型の猛獣の方は、星野くんが射殺、しかし死体は消失しました。あ、他の入院患者は異常なし、現在病院は閉鎖させています。」

「ううむ。ひどいな。猛獣の死体が消失? なんだそりゃ。」

「星野くんがそう言ってました。」

「うむぅ? 他に何かあるか。」

「えーと、すごいのがひとつ。その星野君なんですが、警察庁長官襲撃の主犯と思われる女性の身柄を拘束しました。」

「なにいっ。ばかもの。先にそれを言えっ。」

「すいません。なにぶん現場は凄い状況で、猫やら人の死体がごろごろ…。」

「まい、いい。で、何か喋ったのか。」

「はい、えーと、名前は有賀イオット。現住所は浅草安アパートです。アパートには、雲野巡査と阿比留巡査をやりました。押収品は課長の方へ持っていくよう指示しました。」

「ふむ、よろしい。召喚状はこっちで請求しておく。そっちが片づき次第、その女を連行してきたまえ。」

「了解しました。ところで、本庁と所轄の連中は足止めして、現在、自分がここの指揮をとってるんですけど、整理がついたら引き渡していいですか?早く現場を明け渡せって、うるさくて…。」

「ん、ああ、いいだろう。じゃ、待ってるぞ、凶嫁舞。」

「了解しました。」

凶嫁舞信玄は無線機をしまうと、雲ひとつない空を見上げ、汗を拭うと警官でごった返している病院へと入っていきました。

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星野スミレは看護婦に傷の手当てを受けたあと、白衣を貸してもらい、しばらくは警官達の手伝いをしていましたが、どっと疲れがきたのか、病室の隅で椅子に座ったまま眠ってしまっていました。イオットも同じように手当ては受けましたが、白衣はボロボロのままで、手錠はしっかりとつけられ、MBXのベッドの傍らに立っていました。鼻にティッシュをつめられたまま、出たり入ったりする警官や看護婦をぼうっと見ていたMBXにイオットが話しかけました。

「坊や、起きてる?」

「ええ、なんとか…。」

「よく聞いて。警察は、あなたに証言の依頼をするはずだから、もし依頼があったら…。」

イオットの話しを遮って、MBXが口をはさみました。

「断ればいいんですね。」

「…違うわ。依頼があったら、承諾するのよ。で、そのとき条件を出しなさい。坊やの身柄を証人保護プログラムに従って保護すること、いかなる場合でも保護プログラムの庇護を受けられること、坊や自身の罪状は不問にすること、この3つの条件を受け入れられなければ、証言は断るって、そう言いなさい。」

「…なんだか難しそうだなあ…。」

「いいから、必ず言うのよ。そして契約書を作成してもらいなさい。だいじょうぶ、警察は絶対取引に応じるはずだから。」

「なんだか、不安です。僕は元気になったら、会社へ行ったほうがいいんでしょうか?」

「ばかね、坊や。2度と会社へ近づいてはいけないわ。いいこと、新しい場所で、新しい人間としてやり直すのよ。わかった?」

MBXはなんだか釈然としませんでしたが、イオットの言ったことを、忘れないよう繰り返し頭に刻みこみました。

病室に凶嫁舞信玄が入ってきて、眠りこけている星野スミレを起こしました。

「星野君、星野君。」

「…え、は、はい。…なんだ凶嫁舞か。」

「なんだ、は御挨拶だなあ、ま、いいや。例の彼女は重要参考人として召喚されたから、公安へ身柄を移送することになったんだ。いっしょに来るかい?」

「もちろんよ、私が捕まえたんですもの。」

「それじゃ、彼女を連れて玄関のパトカーに乗ってくれ。僕はこっちの引き渡しをしてから戻るって、課長に言ってくれ。」

そう言うと、凶嫁舞信玄は近くにいた警官を連れて、病室を出ていきました。星野スミレは大儀そうに立ち上がり、大きく伸びをしました。

「それじゃ、有賀さん、行きましょうか。」

星野スミレは、イオットの手錠を外すと、片方を自分の腕にかちゃりと掛け、そばにあったタオルをその上から掛けました。

「坊や、元気でね。」

イオットはMBXにウインクし、MBXは星野スミレに連れられて出ていく彼女をただ呆然と見ていました。

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公安庁本部。かつては公安調査部と呼ばれていましたが、凶悪化するテロリストに対抗するため、警察庁から独立し公安庁として省庁の仲間入りをしたのはつい最近のことです。警視庁から生え抜きのエリートを引き抜き、200人という少人数ながら警察関係の中でも1、2を争う権力を持っていました。新宿都庁から2ブロック先に、独自のビルを構え、その多くは謎に包まれています。そのビルの12階、強行2課取調室にイオットは連れていかれました。手錠をつけられたまま、固い椅子に座っています。部屋には警官がひとり、扉の外に2人監視がついていました。椅子に座って10分ほど経ったでしょうか、制服に着替えた星野スミレが入ってきました。

「これに着替えなさい。」

星野スミレが洋服を差し出しました。署内では制服で勤務するのが慣例になっていますので、星野スミレもロッカーに制服と私服を何着かしまってあるのです。監視の警官に出ていくように言うと、星野スミレはイオットの手錠を外しました。イオットはボロボロの白衣を脱ぐと、差し出された洋服に着替えました。水色のノースリーブのワンピースでしたが、イオットにはちょっと丈が短く、下着が見えそうなミニスカートになってしまいました。

「うーん、ちょっと小さかったかしら。まあ、我慢してね。」

星野スミレはイオットに椅子に座るよう促しました。

「とりあえず、基本的な調書を作ります。正直に答えてください。」

「…ここ、公安庁よね、所轄か本庁の出番じゃないの?」

「いずれ、あなたの身柄は警視庁に一旦移され、検察に回されることになりますが、今は私たちが面倒みます。じゃ、まず名前と住所から。」

「有賀イオット、1972年8月15日生まれ、26歳、現住所は浅草安アパート206号室、本籍地は忘れたわ、次は指紋の採取?」

「そう、すらすら行ってくれると助かります。ここに、5本全部…そう、それでいいわ。」

「それで、何が聞きたいの?」

「犯行の動機とか、いろいろ…。」

「なんの犯行かしら。あたしが何かしたのを誰か見たの?」

「いずれ、証拠はあがります。今のうちに話したほうが得だと思うけれど…。」

けれども、それきりイオットは、取調室の天井の角についているテレビカメラを見つめたまま黙りこくってしまいました。星野スミレは指紋を押捺した書類を鑑識に回すよう依頼すると、小さくため息をつきました。

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取調室の様子は、応接室に置かれた大型のモニターに映し出されていました。モニターは3台置かれ、それぞれ違う方向から取調室を映しています。

「どうかね?」

警視庁捜査1課長の清野が聞きました。

「ううむ、似ているといえば似ているなり。髪の感じとか、肌の色はそんな気もするなり〜ん。」

イェロツォンが腕組みをし、しかめっつらで返答しました。

「さっき服を着替えたときの肢体の線とか、どうよ?」

カメラを見つめるイオットと睨めっこしていたケイエムが言い出しました。

「いや、どうよって言われてもなりぃ。オッパイ2つは万国共通なり〜ん。やっぱり断言できないなり。」

「イェロツォン、万国共通って、ほら、でかかったとか、形がよかったとか、なんか覚えてないのか。」

「なんたって、目撃したのは離れた場所からだし、よく観察しなかったなり。」

清野は漫才コンビのような二人のやりとりを黙って聞いていましたが、実際のところ、イェロツォンが犯人と断定したところで、不法に銃を発砲した彼を、裁判で証言台に立たせるわけにはいかず、公判の維持に先が思いやられ、大きくため息をもらしました。

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広末達之が会議室に入ってみると、テーブルの上に浅草のアパートから押収してきた小さなダンボールがおかれ、鑑識係がそれを開けようとしているところでした。

「なんだ、それ1個だけか?」

「ええ、そのようです。」

ダンボール箱から取り出され、テーブルの上に並べられたのは、女物の下着と洋服が2、3枚、タオル2本とバスタオル1本、靴が1足、それにラジオが1個だけでした。

「おいおい、ふーちゃん、これだけかい。」

ふーちゃんと呼ばれた男、風林崋山は、白い手袋をはめ下着のひとつをつまんで、しげしげと眺めていましたが、広末達之の方に向き直ると言いました。

「そのようですな。ホシは、すぐ引き払うつもりだったのか、他に生活用具はなかったそうですよ。」

「ははあ、どっかの組織とつながりそうな証拠はなさそうだな。」

「まあ、今始めたところですから。ざっと見たとこ、けっこう質素なものばかりですがね。」

風林崋山は洋服の襟元のブランドを確認しながら言いました。

「まあ、なんか出たら連絡くれ。」

そう言い残すと広末達之は会議室を出て、自分のオフィスに戻りました。デスクについてパワーブックデュオでデータベースの検索を始めると、ちょうど星野スミレが取調を終えたらしく、書類を持ってオフィスに入ってきました。

「星野君、どうだった?」

「あ、課長。採取した指紋は凶器のものと合致しましたが、当人は黙秘です。」

「ふん。黙秘かあ。ま、指紋が合致するなら、逮捕状請求しておけ。」

「事情聴取はどうします?」

「ああ、俺が代わろう。午後、聴取に入るから、それまでは留置場だ。」

星野スミレは書類を課長のデスクに置くと、敬礼して部屋を出て行きました。広末達之はふたたび、データベースの検索を続けましたが、いつのまにかデスクの前に立つ人影に気づきました。

「そのパソコン、そろそろお払い箱じゃないのか。」

顔を上げると、10年来の親友が立っていました。

「タキか、四国の方へ旅行に行ってたはずだが。」

「ほお、地獄耳だな。でもな、今回の件で旅行も途中下車になっちまったぜ。」

タキと広末達之はハーバードの犯罪心理学で、ともに首席を争った仲です。広末達之は、卒業後警視庁に入りましたが、タキはそのままアメリカでFBIに入りました。二人が再開したのはつい2、3年前でした。

「広末、お前さんも面倒なもんに首をつっこんだようだな。警察の長を正確にヒットしたのに、のこのこ現れる犯人と、猫の大群にライオンか?だいぶ、ややこしくなってるぜ、そりゃ。」

「ライオンじゃない、大型の猛獣だ。それに、ややこしくはないぞ。犯人逮捕したも同然なんだからな。」

「あっはは。背後関係まですらすら話してくれるとは思えんがなあ。」

「タキ、お前がしつこく言ってる例の会社は、夕べは全く動きがなかった。被害者の一人が社員ってだけじゃ、踏み込むわけにもいかないしな。」

タキはかけていたサングラスを外すと、広末達之に顔を近づけました。

「いいか、広末。お前さんが、相手してるのは人間じゃない。改造人間だ。おそらく、その大型の猛獣もそうだろう。本腰を入れないと、犠牲者は増えるばかりだぜ。」

「そうかもしれん。しかし、誰がそんな話信じると思う。証拠も残ってないのに、検察が信じると思うか。いかに公安が力を持ってるったって、お前んとこのFBIやらCIAやら麻薬捜査局ほどの権力はない。証拠が必要なんだよ。」

「証拠か。アメリカ政府が、この俺の予算を承認しているってのは、立派な証拠だと思うぜ。ま、せいぜい頑張りな。」

タキはサングラスをかけ直すと、足早に部屋を出て行きました。広末達之は、去っていく彼の後ろ姿を見つめていましたが、首を振り、デスクのパワーブックに集中しました。

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凶嫁舞信玄が、病院の現場を片付け公安庁に戻ったのは、昼近くになってからでした。エレベータを12階で降りると、ちょうど廊下を星野スミレが歩いていました。

「よ、星野君おつかれ。どうだった?」

「指紋は合致したけど、それ以外は何にも。黙秘よ。とりあえず課長が聴取するからっていうんで、それまで留置場送りよ。」

「あれ?課長、昼過ぎから記者発表だったな。ていうことは、取調べはその後か…ふふん、何にしろお手柄じゃん。昼飯おごるよ、名刑事どの。」

星野スミレはお手柄という言葉に、ああ、そうなのかな、と思いましたが、なんだか実感は湧きませんでした。

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公安庁新宿ビルは全ての扉が電子ロックになっていて、カードキーとパスワードを入力しなければ開かない仕組になっています。通常時は業務上障害になるので、大抵の扉が開かれていますが、緊急時には集中制御で全ての扉をロックすることが可能でした。留置場は取調室の2階上、まだ使ったことがないとかで、真新しく落ち着いた雰囲気の色で壁が塗られていました。房と房の間は壁で仕切られ、通路側だけが鉄格子になっています。房の中は4畳半くらいの広さにトイレと小さなベッドそれだけです。被疑者のプライバシーの問題があって、監視カメラはありません。もっとも、事前にベルト類や金属製品は取り上げられてしまうので、自殺や逃亡はほとんど無理でした。

イオットはその小さなベッドに寝転がると、留置場の天井を見つめました。天井には換気口が開いていましたが、小さすぎて人間が通ることはできそうにもありません。正午近くなったのか、看守が食事を持って現れました。食器は塩ビ製で、割っても凶器にはなりそうもない代物。食事の内容は、コッペパンひとつ、チリソースのような豆の煮物、今時珍しいテトラパックの牛乳1個でした。鉄格子の隙間から食事を受け取るときに、看守が言いました。

「なにぶん、ここにお客さんが来るのは珍しくてねえ。夕食はまともなものになるから、昼はこれで勘弁してくれや。ああ、それからお嬢さん、ここから逃げようなんて考えないでくれよ。留置場から出られても、このビルからは脱出不可能だからなあ。」

イオットは食事を受け取ると、昨日の朝から何も食べていないことを思い出し、一気にたいらげ、ベッドに横になり、そのまま眠ってしまいました。


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ショッカーの午後について